相席居酒屋に行ってみた
未知の世界、生涯関わる事は無いと思っていた「相席居酒屋」に行った。
昨今、ミニブームを起こしているとはいえ、そもそも相席居酒屋とは?という人も少なくは無いだろう。
簡単に一言で表すと
"未だ見ぬ異性と知り合える居酒屋"
なのだ。
システムとしては、男2人で席を待っていると、女子2人組が後からやって来るというもの。
つまり初対面の女子2人を含め、合計4人で飲み会ができてしまうのだ。
男は40分飲み放題付きで2000円程。
女子は"無料"。
もう1度言おう。
女子は""無料""なのだ。
さらに、おつまみ等の食事も全て男側の負担となる。
至極この世の中の理に叶った、経営陣の優秀さを噛み締めざるを得ない料金システムとなっている。
そう、お気付きの方も多いと思うが、ぼっちサークルというアカウントが唯一の生き甲斐である僕にとって、全く無関係の場なのだ。
前置きが長くなってしまったが、この日、相席居酒屋に乗り込んだメンバーを紹介しようと思う。
僕(ぼっちサークル)
しこしこしこぞー(ツイッタラー)
HIGE(アメリカハーフ?の大学生)
織物(社会人ツイッタラー)
の男4人だ。
以下に皆の詳細を記したが、興味も特に無いと思うので飛ばしてくれても構わない。
僕←体重110kgというワガママボディと類い稀なる顔面で、幾多の機会を薙ぎ倒してきた伝説のデブサメン。つい最近まではTwitterで女性を騙っていた精神異常者であり、内面も外面と同等レベルであると考えられる。もちろん童貞。
HIGE氏←アメリカとのクォーターで顔は濃いめ。モテる人にはモテる顔。信じられないくらい可愛い彼女を過去には持っていたという異例の経歴を持つ非童貞。
しこしこしこぞー←名前の女子ウケの悪さとは裏腹に、割とかっこよく、身長も高くスラッとしていて、爽やかで誠実でとても優しく、その上話しやすいのにも関わらず童貞。宝の持ち腐れとはこの事を言うのだと思う。
織物氏←ネット恋愛の達人。Twitterやその他様々なアプリを駆使し、幾千もの女子との交流を深めてきたパイオニア。最近では、Twitterで出会った女子と旅行に行ったらしい。勿論非童貞。
HIGE氏、織物氏とは元々面識があったが、しこしこしこぞー氏とはこの日、初対面であった。
1次会では、普通の居酒屋で、特に変わった様子も無く、平和に全員ほろ酔いで楽しくなった程度だった。
しかし、このほろ酔い程度で済んでしまった事が、後々の大後悔を生み出すことになってしまうとはまだ誰も知らなかった。
HIGE氏「二次会どうするー?」
僕「みんなあんまお金無さそうだし、コンビニでスト缶買って路上で飲も」
しこぞー氏「さすがに寒くね?w」
織物氏「アルコールは体をポカポカにする作用あるからむしろ丁度いいよ」
しこぞー氏「そうなんだ!ならおk」
という、ロシアのウォッカを飲んで寒さに対抗する習慣を非常にリスペクトした会話を繰り広げつつ、コンビニに向かうことに。
(スト缶とは、アルコール8~10%のストロングチューハイ缶500mlサイズのこと。)
数分後、各々が好きな味のスト缶を持ち寄り、横浜駅近くのVIVRE前に舞い降りた。
織物氏「土曜だからベロ酔いできるぜイヤッフォォオイwww」
僕「普通に飲むのもつまらないですし、1番飲むの遅かった人が罰ゲームで!」
という言葉を皮切りに、速やかに乾杯をし、通常では考えられないスピードでアルコールを摂取する事になり、皆90秒程で飲み干したすぐ後、近くでダイエーを発見し、そこで激安スト缶を購入し、もう一度同じ事を繰り返した。
本当にスト缶の威力は言葉ではとても表現できないくらいに効果が抜群すぎるのだ。
日本酒5合を5分程で飲み干した計算になる。
もうそれはそれは、皆ベロンベロンになり、僕の記憶もここから途切れ途切れになってしまっている。
そう、僕の次の記憶は男4人で相席居酒屋に入店した所まで飛んでしまっている。
店員さん「4名様ですと2人ずつに別れてもらう事になりますー」
とのことで
僕とHIGE氏ペア
織物氏としこぞー氏ペア
に別れる事になった。
緊張しながら待つ事20分…。
店員さん「今から女性の方をお連れします!」
僕&HIGE氏「わかりました!」
母と妹以外の女性と話すのはいつ以来だろうか…と記憶を探っていると、ついに女性がやってきた。
僕らの目の前にやってきた女性の2人組は驚くべき事に、僕の母と母だったのだ。
実は母は双子だったのだ。
と酔っていた僕は一瞬混乱してしまった。
そう、目の前に座っているのは母と大差ない年齢の女性2人組だったのだ。
HIGE氏の思考は闇に葬られたのか、ジョッキを持ったまま固まっている。
しかし僕は諦めない。
僕「お、お二人は会社員の方ですか?」
母&母「はい」
僕「ど、どういうお仕事をなされているのですか?」
母&母「事務の仕事をしているよ」
僕「そ、そうなんですか!」
ここで僕の脳みそも完全に停止し、今すぐに逃走しろ!という本能だけで最後の言葉を絞り出した。
「御手洗い行ってきます!!」
と言い残し、僕はHIGE氏に全てを託しトイレに向かった。
トイレに逃げ込む途中、織物氏&しこぞー氏のテーブルがチラッと見えた。
なんと、そこのテーブルには可愛い女子大生らしき2人組が座っていた。
しこぞー氏「Twitterはしこぞーって名前です!名前からお分りの通り、服部半蔵の末裔なんです!」
などという話は全くしていなかったが、割と楽しそうな様子であった。
しばしトイレで休憩し、気を取り直して母が待つテーブルに戻ろうとしたら、先程まで楽しそうにしてた織物氏&しこぞー氏ペアのテーブルに、織物氏しか座っていないではないか。
僕「あれ?どうしたんですか?」
織物氏「女子達は帰っちゃって、しこぞーはトイレ行ったよ」
僕「なんかあったんですか?」
織物氏「しこぞーが場ゲロしてドン引かれて終了ww」
僕「伝説すぎワロタwwww」
としばし談笑していると、店員さんに元の席に戻ってくださいと注意されたので、母が待つテーブルに戻る事に。
僕にはもう力が残っておらずジョッキを持ちながらひたすら空を見つめる事しか出来なかった。
そんな中、HIGE氏と母の会話が繰り広げられる。
母達は興味が無さそうに相槌をうつだけで盛り上がる糸口を掴めぬまま、おもむろに母達はコートを着始めた。
僕「あれ?帰っちゃうんですか?」
言葉の悲しそうな表現とは裏腹に、不思議と喜々とした感情が込み上げてくる。
母&母「はい」
もう目も合わさずに気だるそうに返事をするだけで気力は感じられない。
そうして母達が去った後、僕達は逃げるようにして店を後にした。
完全大敗北。
圧倒的敗北。
酔っていたせいか、あまりのショックのせいなのか不明だが、次の記憶は電車に乗っている場面まで飛んでしまう。
僕(女性がテーブルに来た時に見せた残念そうな表情、興味の無さそうな表情、いち早くこの場から去りたいという事がひしひしと伝わる所作。
何も出来ないまま、何もしようとしないまま、逃げてしまった自分が酷く惨めだ。
どうしようもなかった、仕方がない、運が悪かった、と言い訳しようとしている自分が激しく憎い。
僕には愛する人も出来ないだろうし、例え愛する人が見つかったとしても、僕以外と結婚した方が幸せになれる。
だから僕は一生1人でいい。)
などと考えているうちに気が付いたら涙を流していた。
2度と相席居酒屋には行かない
と誓い、就寝した。
まとめ
相席居酒屋は難易度高め。
年齢差などは一切考慮してくれないので覚悟が必要。
予算は2000円程。
(最短で終わった場合。
盛り上がった場合は不明。)